――女神様はね、前の女神様を殺して女神になったんだって――
幼い頃に聞いた昔話。
何年も何千年も昔のはなし。この星がまだ回り続けていた頃。
予言者は言いました。
『この星があと10256回廻るとき』
『星が持つ寿命は尽きてしまうだろう』
それを聞いて世は荒れに荒れました。
彼らは儀式を行い、若い娘を贄として神の国へと送り込みました。
儀式は女神を殺し、それに成り代わらせることを目的としていましたが
力の無いただの娘が、世界の秩序を保つ女神に成り代わるなど不可能でした。
儀式は毎日のように行われましたが
それが成功することは決してありませんでした。
各地で生け贄のため若い娘が消えていくなか
自ら贄になろうと言い出した少女がいました。
少女は星中の誰からも忌み嫌われている『魔女』でした。
魔女は何百年も昔に、魔女狩りで絶滅したと考えられていましたが
その生き残りが存在していたのです。
人々はその事実に驚きましたが
喜んでその善良な魔女を
殺しました。
不思議な力を持った魔女は贄となり
神の世界で無事、女神を
殺しました。
女神に成り代わった魔女は
元居た星の動きを完全に停止することに成功し
星は死を免れました。
それを知った星の人々は
魔女を英雄として崇め奉りました。
星はその動きを止めた影響で
太陽の光が当たる場所 と 当たらない場所 とで二つに別れました。
光が当たる場所には
英雄である女神様と同じ種族と
元々その場所に住んでいた人間が住むことになりました。
彼らは太陽の民と自称し
光の当たらない場所に住む人々を影の民と呼び蔑視するようになりました。
光が当たらない場所に住むことになった不幸な人々は
太陽の民を憎むようになりました。
その時、完全に二つの種族は別れたのです。
*****
そして今、二つの種族はその見た目すら完全に違えている。
いつからか太陽の民は浅黒い肌を、影の民は青白い肌をそれぞれ特徴とするようになったのだ。
太陽の民は魔女を崇拝の対象とし、女神信仰と銘打ち奇跡の恩恵を受けて生活し始めた。人々は魔女と交わり、奇跡を起こせる人間は段々と増えていった。
それに対し魔女の奇跡も太陽の光も持たない影の民は、自ら光を生み出すための機械を作り出すようになり、弱体化した身体を補うための医療も発達した。
二つはその生活習慣から外見までも違うものに進化し、互いを悪の象徴とするようになる。
そんな背景がありながら私のような中途半端な存在が生まれてしまったのは、
時代が動く時が来たということではないのだろうか。
こんな世界はおかしい。私が迫害される謂れはない。
きっと女神もこう思ったんだ。
私のような存在が――私が動かなければ、と
てな感じでハーフの少女がどっちからも差別されながら、再び星を動かすために女神を殺しにいく話でした。
便宜的に上では書いちゃってるけど主人公たちの時代にはあと何回まわったら~みたいなのは伝わってなくて、(種族のごたごたとかのせいで)
何で女神は世界を止めたのか?ってことはわからない状態なので、自分の行動を正義を完全に信じています。
女神は前世代の女神の頑張りを台無しにしてて、主人公は女神の頑張りを台無しにして、主人公はまた次世代の英雄さんに頑張りを台無しにされる。
そうやって世界は何回も同じことを繰り返しながら進んでるーっていう鬱オチ。
(前の女神は星の寿命を食い止めるために女神になって、主人公はそのせいで生まれた差別を無くすために女神になる。
でもきっとまた何千年後には種族の違いがなくなって魔女狩りが起こって、星の寿命を食い止めるために生き残った魔女の一人が女神になる。の繰り返し。みたいな)
前の女神さんは自分たち魔女が星の寿命を食い止めることで魔女への差別がなくなる!て考えで生け贄立候補してるので、全部流れ通して差別がテーマの話でした。
懲りずにまた雑談枠w
記憶がところどころあやふやなこともあって文章があばばばば……反省
でも楽しかったです(*´∨`*)
次こそは何かしら小説を更新します(決意)
麻埜ぼったー