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『神様委員会』
それは人の生き死にを人が選ぶという、まさに人が『神』に成り代わろうという制度。
悪魔の所業。

限られた医療資源を誰に使うか、
医師ではなく一般市民の代表数名が話し合って決めるというものだった。

普段、日常にありふれている『死』
普段、日常ではひた隠しにされている『死』

なぜ死はこんなにも隠されているのか?誰が隠しているのか?
――大多数の人が死を迎える場所……病院である。

なぜ自分たちの人生の一部を医師に左右されなければならない?医師は神か?
市民の生き死には市民が決める。それは当然の要求だと思われた。

……
しかし神様委員会が制定されて間もなく、この制度に関する大きな問題が世間を賑わした。
選ばれた市民たちの中で『自分が選んだ、自分が殺してしまった』と
罪の意識に耐えられず自殺してしまう人が続出したのだ。

――この制度は本当に正しいのか?


『医師だけに決めさせるわけにはいかない。何を基準に選ばれるか分かったもんじゃない。
平等にチャンスを得るためにはこれしかない』
『人間が他人の命を選択することは神の意志に反する。
人間は他人の生き死ににできるだけ関与すべきでない』

世論は二分した。

選ばれた市民は次々と辞退し――神様委員会という画期的な制度は短期間で廃れ、
人々の記憶から消え去っていった。

……

しかし今、時代は変わりつつある。
神が威厳を失いつつある現代、悪魔の所業は医療の進歩の一言で片付けられるようになったのだ。





人はヒトを踏みにじりながら足踏みを続ける
それが前進であると信じて
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